【書評】売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!

売れないものを売る方法?そんなものが本当にあるなら教えてください!読後レビュー・書評

私は現在、ECサイトの運営企業に勤めています。

商品開発チームの尽力のおかげで着々と新商品が世に出ているのですが、中には売上が振るわず廃盤となってしまうものもあります。

私はまだ入社して1年に満たないぴよっこなので裏事情はまだわかっていない部分も多いのですが、「なんでこれが売れなかったんだろう…?」と疑問に思う商品も少なくありません。

もし売り方を変えれば、もっと売れたのかな?
今ある商品も、売り方を変えればさらに伸ばせるのかな?

そんな疑問を解消できそうなタイトルに惹かれて「売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!」を読んでみました。

考え方のヒントがたくさん見つかったので、私のようなマーケティング初学者を含め「モノを売る仕事」に関わる方は一度読んでおいて損はないと思います。

この本はこんな人におすすめ
  • マーケティングの成功事例を知りたい
  • いろんな商品に応用できるマーケティング思考を身につけたい
  • 手元にある商品が売れずに悩んでいる
  • 競合と差別化する方法が知りたい

本の概要

念のため断っておくと「どこに出しても恥ずかしいクズ商品が魔法のように売れるようになる裏技」とかではありません。

商品の質がいいのは大前提で、ライバルとの競争を避けてニーズを独占したり、埋もれてしまっている良さを引き出して売り上げを伸ばすためのヒントが実例付きで解説されている本です。

「売れない=商品が悪い」という単純思考から抜け出して、商品そのものには手を加えずに売るにはどうすればいいか?という考え方を養う手助けをしてくれるイメージですね。

難しい専門用語はほとんど出てこないので、マーケティングの勉強をこれから始めるという人でもさらっと読めます。

紹介されている7つの「売る方法」は過去の実例と一緒に紹介されているので、うまく市場の穴を見つけられれば再現性も十分ありそうなのがうれしいところ。

商品の良さを引き出す「売れないものを売る方法」7つ

後半で種明かしがあるのですが、実はこの本で紹介されている7つの「売る方法」は5W2Hの法則に則って書かれています。

物事をわかりやすく伝える要素は5W1Hが有名ですが、7つ全てというより、どれか一つでも自分の商品に活かせるものがあればOKといった構成になっています。

もちろん全て当てはまれば一気に売り上げを伸ばせそうですが、リソースも限られていると思うので相性の良さそうな手法から攻めるのが現実的です。

売れないものを売る方法① 商品のウリ(What)を変える

ウリ=セールスポイントのこと。

商品の用途・カテゴリー・名前・見た目などを変えることで、商品そのものは変えずにニーズにハマる「新しい価値」を与えてあげるという手法です。

「ウリ」を変えた例の一部
  • トイレットペーパーの芯:資源ごみ→工作の材料
  • 乾燥しらたき:低糖質で健康にいい「ZENパスタ」(inイタリア)
  • 大事に育てられた養殖サバ:「お嬢サバ」

例を挙げてもらうとなるほどと思えますが、例えば今目の前にある商品に「新しい価値」を与えられるか?というと、なかなか難しいです。

新しい目線で物事を見る練習を日ごろからしていく必要がありそうですね。

売れないものを売る方法② 商品を売る時間(When)を変える

商品を売る時間帯をズラしたり、販売期間を限定したりして差別化を図る方法。

もちろんただ時間帯をズラすのではなく「この時間帯に開店していることにニーズがありそうだ」という計画性が大事です。

「売る時間」を変えた例の一部
  • 本屋:朝7時開店(通勤前サラリーマン)
  • たたみ屋:24時間営業(閉店後に張り替えたいお店)
  • ネットショップ:急ぎません。便(3日以内配送で100円オフ)

昨今では何事も「少しでも早く」が求められる傾向がありますが、逆に「ゆっくり、丁寧」というニーズもしっかり掘り起こせると商機がありそう。

売れないものを売る方法③ 商品を売る場所(Where)を変える

「砂漠で水を売る」というたとえが一番わかりやすいですが、ニーズがある場所を選んで売る作戦ですね。

同じ店の中でも、レジ前にお菓子屋や電池を置いたり、合わせ買いが多い商品のコーナーを隣り合わせに作るというのも当てはまります。

「売る場所」を変えた例の一部
  • コンビニのビニール傘:雨の日は割高とわかっていても売れる
  • 他の国・地域で繁盛している業態をアレンジして持ってくる
  • 花屋:本屋とコラボし「母の日に読みたい本」との合わせ買い

自社の製品にこだわらず、他ジャンルの商品と組み合わせて売り上げを伸ばす例は面白いですね。

売れないものを売る方法④ 商品を売る人(Who Whom)を変える

売る人=顧客または販売する人、どちらもあり。

かの有名な「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」に通じる部分もあります。

「売る人」を変えた例の一部
  • シーブリーズ:肌を焼きたい男性→部活帰りの女子高生
  • 全然お客がいないのに潰れない店:出張修理、役所などへの大口納品
  • タクシー:女性ドライバー(子供の送り迎え、婦人科への通院など)

昨今の状況で今後どんどん無人化やオンライン化が進んでいきそうですが、あえて対人接客にこだわることで伸ばせる市場もあるかもしれません。

売れないものを売る方法⑤ 商品を売る値段(How much)を変える

「値段を変える=単純な値引き」ではないのが面白いと思いました。

実際の値引き額などは実はあまり関係なく、いかにお客さんに「お得だ!」または「絶対損しない!」と思ってもらえるかが大事なところのようです。

「売る値段」を変えた例の一部
  • 100人に1人タダ:店側のコストは実質全品1%引き
  • ゆで卵とトースト無料のモーニング:必須オーダーのドリンクで元を取る
  • 初乗り運賃値下げタクシー:長距離は実質値上げ

高級チョコと安物チョコを使った実験結果のくだりは、たしかに私もそっちを選んじゃうなーと納得の内容でした。

売れないものを売る方法⑥ 商品を売る方法(How)を変える

「お客さんに買ってもらう」という当たり前の方法だけではなく「お客さんに売ってもらう」方法もあるよ、という視点が新鮮でした。

ただ個人的には「①商品のウリを変える」に被ってる部分が多い気もしました。

「売る方法」を変えた例の一部
  • 1回500円の「ガチャめし」:回転率アップ、高価なメニューが当たるかも
  • 同じミシン2台購入で10%オフ:知り合いとの共同購入
  • お米の食べ比べ:比較することで良さがわかる

「ガチャめし」は個人的にめちゃくちゃ魅力的です。

外食行ってもなかなかメニュー決められないタイプなので、いろんな店で導入してほしい。

…と思ってもらえるシステムを開発できればこっちのものってことですね!

売れないものを売る方法⑦ 商品を売る目的(Why)を変える

本来その商品を持つ・使う目的とは違う「買う理由」をプラスする方法。

社会貢献系がわかりやすいですね。

「売る目的」を変えた例の一部
  • 築地もったいないプロジェクト:売り物にならない魚で調理
  • ミネラルウォーター:売り上げの一部を寄付してアフリカに井戸を作る
  • スキー場:ジム感覚で健康増進(ジムより安く値下げ)

フードロス問題は国内外で身近に感じる人が多くなってきた印象なので、「もったいない」をなくす呼びかけは反応してくれる人も多そう。

おわりに

言われてみればそうだよね、と思うこともありますが、こうして文章で整理してもらった状態だと頭の引き出しにすっきり入りますね。

「商品そのものは変えずに」とうたっている割に、いやそれは一から開発しなければ無理では?という例も少なからずありましたが、今後の開発に生かすという意味ではとてもいい見本でした。

今後自社商品のマーケティングやアフィリエイトにこの本の5W2Hを応用してみたいと思います。

それでは!

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